HbA1cを下げるには、お金が必要?
「HbA1cが高いと言われたけれど、どうすれば下がるのだろう?」
「薬を増やさずに、血糖値を改善する方法はないのだろうか?」
糖尿病の診療をしていると、このようなご相談をいただくことがあります。
最近では、血糖値を改善する優れた薬が数多く登場しています。しかし、糖尿病治療において、薬と同じくらい大切なのが毎日の生活習慣です。
実は、特別な健康食品や高価な運動器具を購入しなくても、HbA1cを改善するためにできることはたくさんあります。
今回は、お金をかけずに実践できる血糖管理のコツをご紹介します。
そもそもHbA1cとは?
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、過去1〜2か月程度の血糖状態を反映する検査値です。
健康診断や糖尿病の診察で、よく測定される項目の一つです。
一般的にHbA1cが高い状態が続くと、網膜症、腎症、神経障害などの糖尿病合併症のリスクが高まります。
ただし、HbA1cは低ければ低いほど良いわけではありません。年齢や健康状態、低血糖の危険性などを考慮して、一人ひとりに適した目標を設定することが大切です。
今日からできる!お金をかけない7つの血糖改善習慣
① ご飯の量を少し見直す
血糖値に大きく影響する栄養素の一つが糖質です。
例えば、毎食ご飯を大盛りにしている方は、普通盛りに変えてみる。それだけでも、摂取する糖質やエネルギーを減らすことにつながります。
ただし、糖質を極端に減らす必要はありません。
ご飯、パン、麺類などの主食を適量にし、野菜やたんぱく質もバランスよく食べることが大切です。
まずは、いつものご飯を少し減らすことから始めてみましょう。
② 食後に10〜15分歩いてみる
食後は血糖値が上昇しやすい時間帯です。
このタイミングで軽く体を動かすと、筋肉がブドウ糖を利用するため、食後血糖の上昇を抑える効果が期待できます。
例えば、
- 昼食後に近所を10分散歩する
- 夕食後に家の周りを歩く
- 食後に家事や片付けをする
これだけでも立派な運動です。
ジムに通う必要も、特別な器具を購入する必要もありません。
食後の10分を、座って過ごす時間から体を動かす時間に変えてみましょう。
③ 甘い飲み物を減らす
意外と見落とされやすいのが、飲み物に含まれる糖分です。
ジュース、加糖コーヒー、スポーツドリンクなどには、多くの糖分が含まれていることがあります。
例えば、500mLの清涼飲料水に50g以上の糖分が含まれていることもあります。
普段からこうした飲み物を飲んでいる方は、水やお茶、無糖のコーヒーなどに変更してみましょう。
血糖管理に役立つだけでなく、飲み物にかかるお金の節約にもなります。
※低血糖時の糖分補給や、運動時・体調不良時の水分補給については、個別の対応が必要です。
④ 自宅で筋力トレーニングをする
筋肉は、血液中のブドウ糖を取り込む重要な組織です。
そのため、筋肉量を維持することは血糖管理にも役立ちます。
おすすめは、自宅でできるスクワットや椅子からの立ち座り運動です。
例えば、椅子からゆっくり立ち上がり、再び座る動作を5〜10回繰り返すだけでも、筋肉を使う運動になります。
無理のない回数から始め、少しずつ継続することが大切です。
膝や腰に痛みがある方、心臓病などで運動制限がある方は、主治医に相談してください。
⑤ 早食いをやめる
忙しい毎日の中で、つい食事を急いでしまう方も多いと思います。
しかし、早食いは食べ過ぎにつながりやすく、肥満や血糖管理にも影響します。
一口ずつよく噛む、食事中に時々箸を置くなど、少し工夫してみましょう。
食べる量を自然に調整しやすくなることが期待できます。
⑥ 睡眠を大切にする
血糖管理というと食事と運動が注目されますが、睡眠も重要です。
睡眠不足や不規則な生活は、インスリンの働きや食欲の調節に悪影響を及ぼすことがあります。
毎日できるだけ同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保しましょう。
夜遅くまでスマートフォンを見る習慣を見直すことも、睡眠の質を改善するきっかけになります。
⑦ 自分の食生活を「見える化」する ― 食事管理アプリも活用しよう
血糖管理を改善するためには、まず自分が普段どのような食事をしているのかを知ることが大切です。
「そんなに食べていないつもりなのに、体重が減らない」
「糖質を控えているつもりだけど、HbA1cが下がらない」
そんな方は、一度、毎日の食事を記録してみるのもおすすめです。
最近では、スマートフォンで簡単に食事を記録できるアプリもあります。
例えば、「あすけん」という食事管理アプリでは、食べたものを入力することで、摂取カロリーや炭水化物、脂質、たんぱく質などの栄養バランスを確認できます。
基本的な機能は無料で利用でき、有料の追加機能も用意されています。
実際に記録してみると、
- 思っていた以上に間食が多かった
- ご飯やパンなどの主食を食べ過ぎていた
- 野菜やたんぱく質が不足していた
など、意外な発見があるかもしれません。
もちろん、アプリを使わず、ノートに食事を書いたり、スマートフォンで食事の写真を撮ったりするだけでも構いません。
大切なのは、完璧に記録することではなく、自分の食生活に関心を持ち、改善できるところを見つけることです。
まずは1週間、自分が何を食べているのか振り返ってみませんか?
※アプリによる栄養計算は目安です。糖尿病の治療中で食事制限が必要な方は、主治医や管理栄養士の指導を優先してください。