
健康診断や病院で「橋本病(慢性甲状腺炎)ですね」と言われて、不安になっていませんか?
橋本病(慢性甲状腺炎)は、日本人女性に比較的多くみられる甲状腺の病気です。
まず一番にお伝えしたいのは、
「橋本病=すぐに治療や薬が必要な病気ではない」
ということです。
1.橋本病ってどんな病気?
橋本病は、本来は体を守るはずの免疫が、自分の「甲状腺」を少しずつ攻撃してしまう病気です。
その結果、体を元気にする「甲状腺ホルモン」が不足し、甲状腺機能低下症になることがあります。
甲状腺ホルモンが不足すると、次のような症状がみられることがあります。
- 疲れやすい、だるい
- 体がむくむ
- 体重が増える
- 寒がりになる
- 眠気が強くなる
- 便秘になる
- 気分が落ち込む
ただし、これらの症状は加齢やストレス、更年期障害などでもみられるため、症状だけで橋本病とは判断できません。
また、橋本病であっても甲状腺ホルモンが正常に保たれている方では、症状が全くないことも少なくありません。
2.一生薬を飲まないといけないの?
橋本病と診断されたからといって、全員がお薬を飲むわけではありません。
ホルモンが十分足りている場合
お薬は必要なく、定期的な血液検査で経過をみていきます。
ホルモンが不足している場合
不足した甲状腺ホルモンを補うために、レボチロキシン(商品名:チラーヂンSなど)を内服します。
このお薬は「体に足りないホルモンを補う治療」です。
適切な量で使用すれば副作用は非常に少なく、妊娠中にも使用される安全性の高いお薬ですので、過度に心配する必要はありません。
3.昆布やわかめは食べてはいけないの?
外来で最もよく受ける質問のひとつです。
結論から言うと、
お味噌汁のわかめ、のり、ひじきなどを普通の食事で食べる程度なら問題ありません。
ただし、ヨウ素を過剰に摂取すると甲状腺ホルモンのバランスに影響することがあるため、以下のような習慣には注意が必要です。
- 昆布だし(根昆布だしなど)を毎日大量に摂取する
- 昆布のサプリメントを継続的に飲む
心配な場合は診察時にお気軽にご相談ください。
当院からのメッセージ
「橋本病」と聞くと、大きな病気のように感じてしまうかもしれません。
しかし、正しく状態を把握し、必要な方に適切な治療を行えば、多くの方がこれまで通りの生活を送ることができます。
「経過観察と言われたけれど心配」「最近疲れやすいのは甲状腺のせいかもしれない」「薬が必要なのか知りたい」
そんな方はお気軽にご相談ください。
当院では甲状腺ホルモンの数値だけでなく、症状や生活背景も含めて総合的に評価し、一人ひとりに合った治療方針をご提案しています。