「急に胸がドキドキする」「脈が飛ぶ感じがする」「横になると心臓が気になる」
このような症状を「動悸」といいます。
動悸は外来でも非常によくみられる症状です。
多くの場合は心配のないものですが、中には治療が必要な病気が隠れていることもあります。
動悸の原因は?
動悸の原因はさまざまです。
心臓が原因の場合
- 不整脈(期外収縮、心房細動など)
- 心不全
- 心臓弁膜症
心臓以外が原因の場合
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
- 貧血
- ストレスや不安
- 睡眠不足
- カフェインやアルコールの摂りすぎ
などが原因となることがあります。
特に注意したい「心房細動」
動悸の原因として重要なのが心房細動です。
心房細動とは、心臓が不規則に細かく震えてしまう不整脈です。
心房細動があると、心臓の中に血栓(血の塊)ができやすくなり、その血栓が脳へ飛ぶことで脳梗塞を起こすことがあります。
実際、心房細動がある方では、脳梗塞のリスクが約5倍になることが知られており、早期発見と適切な治療が非常に重要です。※1
また、
- 動悸が突然始まる
- 脈がバラバラになる
- 息切れを伴う
といった症状がみられることがあります。
一方で、症状が全くない方も少なくありません。
動悸と甲状腺の関係
動悸の原因として、甲状腺ホルモンの異常も重要です。
特に、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)では、脈が速くなったり、動悸が続いたりすることがあります。
さらに、甲状腺機能亢進症では心房細動を合併することもあるため、新たに心房細動が見つかった患者さんでは、甲状腺機能の評価が推奨されています。※2
当院では甲状腺疾患の診療も行っており、必要に応じて血液検査を行います。
動悸がある時、どのような検査を行うの?
動悸の原因を調べるためには、症状だけでなく検査が重要です。
当院では、以下のような検査を行っています。
心電図検査
診察時の不整脈を調べます。
ホルター心電図
24時間の心電図を記録し、日常生活中の不整脈を評価します。
携帯型心電計
症状が毎日あるわけではない方には、携帯型心電計を約1週間貸し出しています。
動悸を感じた時に患者さんご自身で記録していただくことで、発作性心房細動などを見つけやすくなります。
心エコー検査
心臓の動きや弁膜症、心不全の有無を調べます。
血液検査
貧血や甲状腺機能異常などを確認します。
このような症状があれば早めの受診をおすすめします
- 強い動悸が続く
- 動悸とともに胸痛がある
- 動悸とともに息苦しさがある
- 失神した、意識が遠のいた
- 脈が極端に速い、または不規則
当院からのメッセージ
動悸は、「様子を見てよいもの」から「治療が必要な病気」まで原因はさまざまです。
特に心房細動は脳梗塞の原因となるため、早期発見が重要です。
「時々動悸がする」「健康診断で不整脈を指摘された」「脈が飛ぶ感じがする」
そんな方は、お気軽にご相談ください。
当院では、心電図、ホルター心電図、携帯型心電計、心エコー、血液検査を組み合わせ、一人ひとりに合わせた診療を行っています。
参考文献
※1 Yoon M, et al. Atrial fibrillation is associated with a nearly five-fold increased risk of ischemic stroke. Korean Circ J. 2018.
※2 Gencer B, et al. Guidelines recommend measurement of TSH in the evaluation of new-onset atrial fibrillation. Front Endocrinol. 2022.